仏教語、または仏教に関するもの

もどるもどるもどるくん

用語
よみ
意味
由来・いわれ
ひと言
閼伽 あか 仏前に供える水(閼伽の水)。
または、神仏への捧げもの。
阿伽、渇伽とも。
梵語でアルガ
古代インドバラモン教の祭祀の術語。
”客の接待をする(にだされる)水”のこと。
密教が取り入れる。
「閼伽は、能(よ)く煩悩の垢を洗う」
下炬 あこ 導師が松明をとって、死者を火葬する意。
転じて、棺前に立って引導を授けること。
曹洞宗では三尺二寸。
浄土宗では二尺五寸とされ、1本を落とし(厭離穢土)、残る1本(欣求浄土)で1円を描き引導文を述べた後落とすなどの作法がある。
迦葉が釈尊の荼毘の炬をとった(菩薩所胎経)。
大声を上げて一喝するのは、中国黄檗の希運禅師の故事より(伝燈録)。
炬はかがり火、松明(たいまつ)の意。
「智慧の火を以って煩悩の薪を焼くの標示なり」(百通切紙第三)
阿弥陀 あみだ 仏。極楽浄土を主宰する仏。弥陀とも。
梵語アミタ(俗語形アミダ)の写音。「無量の」、「計測できない」などの意。
無量寿アミターユス
無量光アミターバ
阿弥陀経…鳩摩羅什訳。浄土三部経(無量寿経、観無量寿経)。念仏による極楽への往生を説く。
”あみだくじ””帽子をあみだにかぶる”は後光に似ているところからきている。
一蓮托生 いちれんたくしょう 死後に極楽浄土で同じ蓮華の花の上に生まれること。
運命を共にすること。
「未来は一蓮托生。南無阿弥陀佛」(浮世草子)
護送船団とは違います。
阿字 あじ この世に存在するすべてのもの(一切諸法)の本源的な存在。
阿字観。密教。
阿は梵語の最初の字母 a の写音で、すべてに共通するところから「阿字不生」の説がうまれた。
あま 出家し、仏門に入った女。
尼法師、比丘尼(ビクニ)とも。
⇔比丘。
梵語アンバーの俗語形アンマー
「おかあちゃん」「貴女」の意。
安居 あんご 一定の場所に集まり懺悔と修行に過ごすこと。安居会とも。
梵語ヴァールシカ「雨期」の訳。インドの雨期は托鉢や遊行に不便であったことから。
(ゲ)…陰暦4月16日より7月15日までの期間。夏行、夏安居とも。
真宗。
維那 いな・いのう・いの 僧衆の先導をし、読経の音頭をとり、回向文を読む役僧。
庶務雑事をつかさどる役名。
禅宗寺院では六知事のひとつで、僧衆の進退などをつかさどる。
都道府県の知事も仏教寺院における役職名に由来する。
引導 いんどう 迷っている人々を導いて仏道にはいらせること。
多くは死後に僧侶が引導を渡すことから、「最終的な宣告をする」の意味も。
「以引導衆生」(法華経方便品)。
唐代百丈禅師のころから葬儀式に行なわれ、わが国では禅宗の弘通とともに広まった。
因果 いんが 原因と結果。業(身・口・意のさまざまな行為)によって善は善、悪は悪の因果応報がある。
は梵語ヘートゥの訳。
は梵語パラ(草木の果実の意)の訳。
「親の因果が子に報い」はかなりの拡大解釈。
因縁 いんねん 原因をして結果に到達させる間接の原因のこと。
この世に存在するものはすべて因縁によって生ずるという、仏教の根本思想。
梵語ヘートゥ=プラティヤヤの訳。

因縁合成、因縁和合、因縁仮有。
迷いとしての人間の存在。
生死、輪廻の状態。
梵語バヴァの訳。存在の意。
生有(しょうう)、本有(ほんぬ)…生きている状態、死有(しう)、中有(ちゅうう)。

有為(ウイ)…この世における一切の現象や存在。
有為転変の里…この世のこと。
有頂天…存在するものの最高処。
回向 えこう 自身の善行の功徳を他に施すこと。
仏事法事や布施を行い、死者に振り向け浄土往生を願う。
梵語パリマーナ「転換」の訳。
「つつしんで浄土真宗を按ずるに、二種の回向あり、ひとつは往相、ふたつは還相なり」(教行信証)
親鸞は他力回向の立場をとる。
縁起 えんぎ 因縁生起の略。
物事の始まり。
吉凶の前兆。
社寺などの由来を描いた絵を縁起絵、縁起絵巻という。信貴山縁起、長谷寺縁起など。
閻魔 えんま 冥界の支配者で死後審判の審判官。
炎魔とも。
梵語ヤマの写音。
ヤマは最初に死んだ人間として天国への道を発見(ヴェーダ)。死者のすむ楽土の王とされた。
仏教には本来死後審判の思想はなく、わが国に伝わった閻魔のイメージは中国の俗信の影響を受けている。
往生 おうじょう 極楽浄土に生まれること。
死ぬこと。
諦めておとなしくなる、閉口する、困り果てる。
「弥陀の誓願不思議にたすけられまいらせて、往生をばとぐるなりと信じて」(歎異抄)
お髪剃 おかみそり 仏門に入る儀式で、戒を授けて髪を剃る儀式。
こうぞり。帰敬式。
かみそりの音便。
ブッダも出家の際、髪をおとした。
帰敬とは帰依尊敬すること。
かみそりのほか、半紙を四つ切にしたものを親族分用意することも。
お十念 おじゅうねん 浄土宗で、授戒その他の法会の際に、導師が「南無阿弥陀仏」と名号を唱え、大衆がこれを唱和すること。
切り十念とも。
4×4×1×1、という感じ?
和尚 おしょう・かしょう 禅宗・浄土宗などの住職に対する呼び名。
一般的に僧侶をさす。
和上とも。梵語ウパディヤーヤの転訛といわれる。
「受戒者の師となる者」で「親教師」の意。戒和尚。
日本では、はじめ僧侶の官命として用いられた。鑑真=大和尚(758)
天台宗では「かしょう」、真言宗では「わしょう・わじょう」、法相宗・律宗では「わじょう」、禅宗では「おしょう」という。
御文 おふみ 蓮如(1415〜99本願寺第八世)が真宗の教義を平易にしたため、門徒に与えた書簡のこと。
御文章とも。
蓮如の真筆は60通足らずだが、写本も含めると221通に達するという。
「それ人間のはかなき相をつらつら感ずるにおおそよはかなきものは・・・」(白骨)
かい 仏教教団に入ったものが守るべき基本的な倫理。
梵語シーラの訳。
もとは性格・傾向・習慣といった行為全般をさすが、転じて善行・道徳的な生活態度の意味に用いられた。
五戒、十戒。
出家した二十才以上の男は二百五十戒、女は三百五十戒。
戒名 かいみょう 仏の弟子となった証として死者に送られる名の総称として近世以降一般的となったもの。
日蓮宗は「法号」、真宗は「法名」。
戒名という語は仏典にはないことから現代では「死後に俗名を改めてつける名」と解釈してよい。
インドでは授戒によって名が変わることは無いという。
真宗の場合など、生前に本願寺にて法名をもらっていなかったか確認すること。
開眼 かいげん 新たに仏像を作った際、それを祀って仏の魂を迎えること。開眼供養。
眼目を開く意。
芸者・遊女の水揚げ。
餓鬼 がき 常に飢餓に苦しむ無縁の亡者。
餓鬼道のこと。
梵語プレータ(死者)の訳とされる。中国で「鬼」は死者の霊を意味する。
力のない、つまらない者の意も。
ガキのつかいやあらへんで!
観世音 かんぜおん 現世利益のほとけ。観音菩薩。
観(世)音経…「妙法華」大二十五普門品の別称。
梵語名アヴァローキテーシュヴァラ。訳者鳩摩羅什の意訳。
「観自在」が正しいとされる。
アヴァローキタ「観られた」、スヴァラ「音」。
中央・西アジアの女性神やヒンドゥー教の神々が投影されたもの。
七観音…聖観音、十一面観音、千手観音、馬頭観音、如意輪観音、不空羂索観音(真言宗)、准提観音(天台宗)。
三十三観音は江戸中期以降に現れた民間信仰。
帰依 きえ 仏(優れたもの)とその教えを信じて、わが身を委ねること。
梵語シャラナの訳。「庇護」の意。
祗園 ぎおん 祗樹給孤独園(ぎじゅぎつこどくおん)の略。
祗園精舎。
給孤独(アナータ=ピンタ=ダ)長者がブッダに寄贈した僧院のある園林。
祗樹は梵語ジェータ=ヴァナ(ジェータ太子の園林)の写音と訳。
舎衛城の南方にあった林でもとは太子の所有であったのを長者が買ったもの。
「諸行無常の・・・」(平家物語冒頭)
祇園(御霊)会…京都八坂神社の夏祭。
鬼子母神 きしもじん 出産育児の神。
日蓮宗では礼拝の対象である。(「法華経」陀羅尼品)
吉祥天女(毘沙門天王の妃)は妹。
梵語ハーリーティーの訳。訶利帝母。
ヤクシャ(夜叉)パーンチカの妻。
1万の子があったが人の子を殺しては食っていた。
仏が最愛の末子をかくしていましめた話は有名。
客僧 きゃくそう 葬式や法要のため、近隣の寺院から招集されてくる僧。
旅をして修行する行脚僧のこと。
転じて、修験者・山伏。
ぎょう @現在の果報の因となった過去の善悪の行い(十二縁起)。
A因縁により成立したもの、移り変わる一切の存在(諸行無常)。
B五蘊のひとつ、心のはたらき、意志。
C修行。
@AB梵語サンスカーラの訳。
C梵語チャリヤーまたはチャリタの訳。
経行…経文を読みながら歩き回る運動。座禅中の眠気覚ましに行なわれたことも
行者…修行者、山伏。オコナイビト。
(前世の悪行により)人生において受ける苦痛。
梵語ドゥッカの訳。
インドでは三苦・四苦・八苦・十六苦・百十苦など。
四苦…生老病死。
八苦…愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦。
くう この世に存在するすべてのものの実体は無いということ。
大乗仏教の基本的教説。
梵語シューニヤの訳。
空即是色(般若心経)。
ゼロ。
九品 くおん(くほん) 「極楽往生の段階」をいう。
転じて、極楽浄土のこと。
九品の念仏は、極楽浄土へ行けるよう念じること。
九品の教主とは、阿弥陀如来のこと。
生前における所業により人間を上中下の三輩に分かち、それぞれに三種の往生の段階があり、上品上生(じょうぼんじょうしょう)・上品中生から下品下生に至るまでの九品があるという。「観無量寿経」
上品な人は、必ずしも上品な人にあらず。
供華 くげ 仏前に供え荘厳する花。
葬儀では供花と呼び区別する。
弘誓 ぐせい 世の人をもれなく救おうという仏・菩薩の誓願。 海・波・船・櫓(やぐら)などで装飾することが多い。
弘誓深如海…「妙法華」普門品。
四弘誓願。
功徳 くどく 現在未来によい果報をもたらせるような善い行い。祈祷、写経、喜捨など。
神仏のご利益のこと。
梵語グナプニャなどの訳?
すぐれた特質、善行。
浄土教…功徳=名号(南無阿弥陀仏)「功徳の宝海」。
功徳池。
供養 くよう 仏や死者の霊に飲食物や香華を供えて祀ること(追善供養)、あるいは、法要(開眼供養)と同義語に用いる。
塔婆供養、十種供養、五供養、三供養、四種供養、施餓鬼供養など。
僧侶に食物、衣服などを贈るのも「供養」といった。
梵語プージャーの訳。
仏教がバラモン教などの供犠(いけにえ)に対して採り入れた祭儀形式で、塗油、香、花、水、燈で死霊を供養したことにはじまるとされる。
虫供養、針供養、人形供養。
仏教の教理を説いたり仏を賛美する詩。
四句からなるのが普通。
梵語ガーターの訳。偈頌(ゲジュ)とも。
和文体のものを訓伽陀という。
頌はほめたたえる。
猊下 げいか 高僧に対する尊称。
各宗の管長に対する尊称。
猊は獅子のこと。
仏菩薩の座る座を猊座、その傍を猊座下といった。その略。
陛下、殿下、閣下。
華厳 けごん 修行を修めて、果報として勝れた功徳を得ること。(華厳宗)
梵語ガンダ=ヴューハ。「茎の景観」
善財童子が55人の善知識を植物の茎にたとえて名付けたものが経典の名となり、「雑華荘厳」と訳されたもの。しかしガンタ(雑華)の訳は誤りらしい。
豪華絢爛たる光景(ヴューハ荘厳)。
華厳世界…広大無辺で華麗極まりない神話世界。
解脱 げだつ 煩悩、迷いの苦を脱すること。
梵語ヴィモークシャヴィムクティの訳。
結界 けっかい 出入りを禁止したり、ある一定の区域を仕切ること。
また、その場所。
転じて、仏前の内陣と外陣、または外陣のなかで僧侶と俗人との座席を区別するための木柵。
梵語シーマー=バンダ「境界の劃定」の訳。
魔障を防ぐため。
結界石・・・「結界外相」、「不許葷酒入山門」、酒だけはよい?
顕密 げんみつ 顕教と密教。
仏教の総称あるいは別称。
真言宗では自宗を密教、他宗を顕教とする。応身による教えが顕教、法身の説く教えが密教だとする。
こう 念仏や読経のために集まる信者の集会。
また、神仏参詣・相互扶助などの目的で組織する団体のこと。
集まり。
経典を講釈し、議論する集会で、「最勝王経」の場合を最勝王講、「仁王経」の場合を仁王講と証した。これを講演といった。
講堂(七堂伽藍)。
経(キョウ)が講(コウ)にナマッタ?
報恩講(真宗)、身延講・題目講(日蓮宗)、大社講(大社教)、御獄講(御獄教)など。
他に、念仏講、地蔵講、観音講。
伊勢講、稲荷講、恵比須講、頼母子(タノモシ)講も。
ネズミコウもある。
ごう 前世今生での善悪の行い。
それが今や未来の果報の原因となること。業因とも。
転じて、前世から定められた運命、宿命。
梵語カルマン「行為」の訳。
行為には必ず善悪がともなう。
業報輪廻。
カルマ(羯磨)は「行為は」とされ、業の原語としては不適切らしい。
公案 こうあん 修行者が師に与えられ坐禅工夫してきわめる問題、課題。
「公府の案牘(あんとく)」(役所の調書)にたとえていう。
古即公案…先人の禅体験を追体験してさとりをえる。
現成公案…このときの現実こそが公案を成就するもとであるとするもの(道元)。
光明 こうみょう 仏・菩薩の智慧の象徴。
智光(心の中の智慧そのもの)と身光(外にあらわれた智慧の光)がある。
十二光…阿弥陀如来の光明を十二にわけてたたえたもの。
遍照光明…大日如来の異称。
光明真言。オンアヴォキャア…
五蘊 ごうん 人間、環境といったこの世の一切を形成する物質的・精神的なあらゆる要素を五種に分類したもの。五陰(ごいん)とも。
(形体あるもの、物質と肉体)、
(感覚・知覚)、
(心に浮かぶ概念構成作用)、
(意志・記憶)、
(認識)の五者。
とは「積もり聚(あつ)まる」の意。
ブッダはいずれも苦であると説いた(五蘊盛苦)。
皆空だと…
五戒 ごかい 仏教教団に属するものすべてに共通する五つの戒。
不殺生不偸盗(チュウトウ)、不邪淫不妄語(モウゴ)、不飲酒
偸はぬすむ
妄はみだり、嘘をつかないこと。
十戒…殺生・偸盗・邪淫・妄語・両舌・悪口・綺語・貪欲・瞋恚(しんい…いかりうらむ)・邪見の禁止。
この五戒に、飾らない・歌踊りをしない・快い床に座ったり寝たりしないの八斎戒もある。
モーゼは十戒。
五逆罪 ごぎゃくざい 仏教倫理に背く五つの大罪。
殺母、殺父、殺阿羅漢、破和合僧(教団を分裂させる)、出仏身血(仏に危害を与える)。
これを犯すと無間地獄に堕ちるという。
大乗仏教の頃になると内容に変化がみられる。
セブン
五供 ごくう 仏壇・仏前へのお供え物。香、花、灯燭、浄水、飲食(オンジキ)の5品目。
宗派により異なる。
極楽 ごくらく 十万億の仏国土を超えた西方にあり、阿弥陀如来が常に法を説いている安楽な世界。
梵語スカーヴァティー「幸福のある土地」の訳。
「観無量寿経」「阿弥陀経」
⇒九品
極楽の東門…極楽の人間世界に向かって開かれている門。
極楽天上は誤解。
乞食 こじき 出家修行者、比丘が人家の門口などで食物を求めること。もとは「こつじき」と読んだ。
わが国では意味が転じて、「物貰い」。
梵語ビクシュ「食物を乞う者」の訳。
比丘は生産活動を禁じられているので食物を乞うて生活するしかなかった。
托鉢…鉢にわが生存を託するの意。
梵語ピンダパーティカは「托鉢する人」
五種法師 ごしゅほっし 受持、読、誦、解説(げせつ)、書写。
「法華経」(法師品(ほっしほん)。
誦はとなえるの意。日常的な実践。
五濁 ごじょく 末世に起こるとされる五種の精神的・肉体的な悪事災害。
劫濁(こうじょく…飢饉・疫病・戦などの天災・人災)、見濁(けんじょく…邪悪な思想が栄える)、煩悩濁(欲・貪りの横行)、衆生濁(しゅうじょうじょく…人々の心身の堕落)、命濁(みょうじょく…寿命が短くなる)。
五濁悪世…人間の寿命が八万歳から二万歳に減ると五濁の現象があらわれる。「妙法華」方便品。
五大 ごだい 地・水・火・風・空の五つをいい、世に存在するすべての本源とされる。
五大成身…肉体のこと。
御宝号 ごほうごう 「南無大師遍照金剛」(真言宗)をとなえること。
護摩 ごま 密教の修法で、本尊(不動明王)の前に炉を設置し、火を焚いて供物を供養するもの。
智慧の火によって一切の煩悩・悪業を焼き尽くすと説く。
梵語ホーマの写音・「焼いて捧げる」。
古代インドの祭祀で炉で神木を焚いてそれに牛乳などの供物を投入する祭式が原型とも。
火が天に運ぶという信仰によるもの。
内護摩…心の中で火を炊き煩悩を焼き尽くす。
実際に火を焚くのは外護摩。
五欲 ごよく 色・声・香・味・触(五境)の欲望。
これも空だと…
こん 力を意味し、人間の体力、感覚力、生殖力のおおもと。
五根、六根、十四根、二十二根など。
梵語インドリアの訳。
五根(感覚)…眼・耳・鼻・舌・身(皮膚)。
六根…上記に意(法)←第十一の根。
(運動)=喉・手・足・肛門・生殖器。
六根清浄、おヤマは晴天。
五力…信・精進・念・定・慧。
勤行 ごんぎょう 朝夕仏前で読経する「おつとめ」のこと。
精進と同意で、勤め励んで行う精神活動。
真宗。
金剛 こんごう 堅くて破れない意。
梵語ヴァジラの訳・「金剛杵」。インド神話の軍神インドラの武器の名。
金剛力士(仁王尊)…密迹(みつしゃく)金剛(向かって左・阿)と那羅延(ならえん)金剛(向かって右・吽)。
金剛界…密教の世界観で大日如来の智徳の面をあらわしたもの(男性的)。⇒胎蔵界(慈悲、女性的)。曼荼羅。
在家 ざいけ 俗人。家で普通に生活しながら仏道修行する人々。
梵語グリヒンの訳・「家に居る人」。
覚、悟 さとり 迷いを去って真理を知ること。
梵語ボーディの訳、ブッド(目覚める)に由来。
「われわれ人間の存在を規定し、人間の生活の一切をつつむ物質的・精神的な要素(五蘊)はすべて移り変わるものであるから苦悩である」とブッダはサトッタ。
三界 さんがい 一切の衆生が生死流転する迷いの世界で、欲界・色界・無色界に分けられる。
苦輪の海と修飾される。
子は三界の枷(くびかせ)。首っかせ。
「三界は安きことなし、なお火宅のごとし」(妙法華・譬喩品)。
三帰依 さんきえ 仏・法・僧の三宝に帰依する(忠誠をささげる)こと。
三帰。仏教徒になることを意味し、五戒、十善戒、具足戒、菩薩戒などの戒律を守ることを義務づけられる。(三帰戒)
南無帰依仏・南無帰依法・南無帰依僧。
三業 さんごう
身・口(ことば)・意(心)の三者が行なう善悪のさまざまな行為。
⇒業
三身 さんしん
応身(おうじん)、報身(ほうじん
法身(ほっしん)の総称。
仏のこの世でのあり方。
応身…梵語ニルマーナ=カーヤの訳。神秘的な出現によってこの世にあらわれた現れた身。
報身…梵語サンボーカ=カーヤの訳・「果報の享受」。応身仏の化身・権化(阿弥陀如来・大日如来)。
法身…梵語ダルマ=カーヤの訳。仏たらしめる絶対真理。
三途 さんず 地獄・畜生・餓鬼の三悪道。
地獄道は火途ともいい猛火に焼かれるところ。
畜生道は血途ともいいお互いに食い合うところ。
餓鬼道は刀・剣・杖などで脅迫されるところ(刀途)であるとされる。
途は”みち”とよむ。
三世 さんぜ 前世・現世・来世(現在過去未来)。
三蔵 さんぞう 仏教の聖典を三種に類別した、「スートラ)」・「ヴィナヤ)」・「アビダルマ)」の総称。
原語ピタカを蔵と訳した。籠の意。
・・・ブッダが説いた教えをまとめたもの。
・・・ブッダが制定した教団の生活規則。
・・・ブッダの教説を体系付けて論議解釈したもの。
三蔵法師は夏目雅子。
三宝 さんぼう ブッダ)・ダルマ)・サンガ)の三者。
僧は僧伽、「教団」。
三昧 さんまい 精神を集中して、心を動かさないこと。
一心不乱にものごとをすること。
念仏・誦経の場合に用いる。三摩地とも書く。
また、三昧場は墓所、荼毘所。
梵語マーディの写音。正定(しょうじょう)、等持と訳す。法華三昧、阿弥陀三昧。
「わしが死んだら三昧へ嫁入り、白木長持、白小袖」
「阿弥陀三昧を琴に合わせて七日七夜念じ奉るときに」
三密 さんみつ 身密(手に印を結ぶこと)・口密(口に真言をとなえること)・意密(一心不乱に本尊を観念すること)の三者。
三門・山門 さんもん 寺院の桜門のこと。
山門と書かれるようになったのは寺院が山号を用いるようになってから(平安初期か)。
解脱に達するには、(万物が因縁所成であること)・無相(執着を離れた境地)・無作(作為のないこと)の三つの門があると説かれたことから、寺院の周囲に三つの門が造られた。
法隆寺、四天王寺に・南大門・東大門・西大門があるのはそれ。
天台大師智の門流を山門と称したことから延暦寺を山門と呼び、僧を山法師と呼んだ。
寺門(じもん)・・・大津の園城寺をいい、僧を寺法師といった。
寺門派の祖は円珍
寺院 じいん 寺の総称。
宗教法人の一種で、一定の宗派に属し、本堂・庫裡(くり)があり、本尊を安置し、教義の宣布と儀式の執行を目的とする施設。
・・・伽藍・精舎・梵刹。官署の意。
漢の明帝の時代(67)にインド僧の接待に使った寺に始まる。
・・・唐の時代(645)に玄奘が帰朝したときに設けられた建造物が最初。
わが国ではいくつかの建物を総じてそう呼ぶこともある(延暦寺など)。
「てら」の読み方の起源は明確ではないが、刹の朝鮮語読みが有力。
山内寺院は一般に院、または庵と呼ばれ、出家者の住む仮の住居の意。
しき 物質や肉体の総称。眼根の対象になるものをいう。
梵語ルーパの訳・「形」。
色即是空…これら有形のものは因縁によって生・住・異・滅の四相をあらわしながら流転するものであるから永劫不変の実体をもっていないということ。
式衆 しきしゅ 導師の傍らにいて補佐する僧侶。
職衆とも。
地獄 じごく 現世において罪業のある者が死後に堕ちて苦悩を受けるという世界。
六道のひとつで地下にあるとされる。
梵語ナラカあるいはニラヤの訳。
地獄思想はBC3000頃のシュメール族に起こり、BC7・8cにインドへ移入した。
仏教はヒンドゥー教の影響を強く受け、死後審判の思想とともに因果応報の業報思想に組み込まれた。
日本へは奈良時代に移入された。「霊異記」
写音で奈落(ならく)。
八大地獄…等活・黒縄・衆合・叫換・大叫換・焦熱・大焦熱・阿鼻に分かれ、罪の重い者ほど苦痛の大きい地獄へ堕ちるという。
「往生要集」(985)源信
地蔵 じぞう 地蔵菩薩。地蔵尊とも。
釈尊入滅ののち弥勒佛の出現するまでの間、六道の衆生を教化するという菩薩。
梵語クシティ=ガルバ
お地蔵さん…右手に錫杖をもち、左手に宝珠を捧げた僧形の石像。
四諦 したい 四つの神聖な真理。四聖諦とも。
苦諦(人生は苦なり…生老病死)
集諦(苦の原因として欲望があること)
滅諦(涅槃…欲望を絶滅させることが苦の克服である)
道諦(八正道の実践)。
縁起の理法を悟ったブッダが最初に説いたもの。
諦はあきらめ、明らめる。
四天王 してんのう 仏教の守護者である四王。帝釈天の眷族(一族)。
多門天王(北)、持国天王(東)、増長天王(南)、広目天王(西)。
元来はヒンドゥー教の守護神である。
金光明最勝王経…四天王護国思想と王法論。国分寺(聖武天皇)。
慈悲 じひ 仏・菩薩が衆生をいつくしむ心、あわれみ。
なさけ。
…梵語マイトリー「友情、好意」の訳。衆生に楽を与える意。
…梵語カルナー「同情、あわれみ」の訳。その苦を取り除く意。
釈迦 しゃか 仏教の開祖が生まれた部族の名。現在のネパール国タライ地方に住み、カピラ=ヴァストゥ(迦毘羅衛城)を都にした。チベット=ビルマ系の種族か?
”おしゃかさま”、開祖ブッダの本名は不明。
梵語シャーキヤ(俗語形サキヤ)の写音。
釈迦牟尼…梵語シャーキヤ=ムニの写音。釈迦族の聖者の意。仏・如来の尊称がつけられる。
釈尊。
悉達(多)(しった)…梵語シッダールタ「目的(さとり)を達成した者」の写音。浄飯王の太子時代の名とされるが、後世になって奉られた名といわれている。
釈迦はアーリア人との説あり。
娑婆 しゃば 俗世界・現世。われわれの住む世界。
梵語サハーの写音。「大地」の意。「忍土」「雑会」は誤用といわれる。

「シャバの空気はエエノウ」(高倉健)
舎利 しゃり 火葬した遺骨。
「ブッダの遺骨」は、一般に仏舎利という。
梵語シャリーラの写音。
もとは身体、骨骼の意。”米粒””小石(ジャリ)”などの意もあるが、その形状や色、音に由来するもの。
ジャリンコのジャリは小石や子砂のように「始末に終えないもの」の意。
(劇場で見物の子供のことをそういう)
十二因縁 じゅうにいんねん 人間生存の基本的な構造を解き明したもの。
無明(根本的な無知)
(生活活動)
(精神活動)
名色(行と識の因となる物質的・精神的なもの)
六処(六根の機能のよりどころ)
(対象への接触)
(欲望の対象に対する心のはたらき)
(一般的な欲望)
(人間生存の基本的な条件としての欲求)
(生存という事実
(この世に生まれること)
老死(人間生存の苦悩の根本)
なぜ死ぬのか?・・・それは、生まれたから。
十念 じゅうねん 南無阿弥陀仏の名号を十度唱えて、仏と結縁すること。
死に際して十念を唱えることは「太平記」にみられ、死を決しての出陣に対して僧に唱えてもらう事もあった・・・十念を受ける。
浄土宗・・・十念を授ける。
授戒 じゅかい 戒を授けること。
・・・梵語シーラの訳。
仏弟子が守るべき基本的な倫理。
五戒・・・不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不飲食
衆生 しゅじょう 生きとし生けるもの。
有情(感覚を有する者)とも。
梵語サットヴァ「この世に存在する者」の訳。
これを漢訳者は「生命あるもの」の意に解した。
⇔非情(山川草木)
十種供養 じゅっしゅくよう 華、香、瓔珞(ようらく)、抹香、塗香、焼香、所W(ぞうがい)、幢幡(どうばん、はた)、衣服(えぶく)、伎楽(ぎがく)
「法華経」(法師品(ほっしほん)
荘厳 しょうごん 仏前を綺麗に飾ること。
また、その飾り。
荘も厳も飾る意。
ウヤウヤシク・・・
小乗 しょうじょう 自分ひとりが彼岸に彼岸に渡ることを目的とした仏教者のこと。
教えの大きさを乗物にたとえたもの。
梵語ヒーナ=ヤーナ「劣悪な乗物」。
「自利」を伝統とした既存の仏教教団に対して「自利と利他」に立つ大乗仏教の側が与えた蔑称。
上座部…アショーカ王治下の正統派仏教教団。
説一切有部…カニシュカ王治下の北西インドに栄える。
ビルマ・タイ・カンボジア・ラオス
精進 しょうじん 一心に努力して仏道を修め、身心を清く保つこと。
また、そのような心のはたらき、行為。
梵語ヴィーリヤの訳。
精神面では「身をきよめて、ものいみをする」の意。
物質面では「肉食しないこと」が強調された。
浄土 じょうど 仏・菩薩の世界といった宗教的理想郷。
「清浄な国土」、「ある仏が統宰する国土」、「仏国土」のこと。
弥勒仏の兜率(とそつ)浄土、釈迦牟尼仏の霊山(りょうざん)浄土、阿?(あしゅく)仏の東方妙喜世界、そして阿弥陀仏の西方極楽浄土など。
中国史の訳経史の上から見て理想郷としての浄土信仰は4c以降のことである。
また、阿弥陀仏の信仰や念仏が流行するようになると浄土は「極楽」と同義語となった。
仏式で葬儀をしているのに、弔辞などで「天国」とでると”残念!”と思ってしまう。
成道 じょうどう さとりに到達すること。とくに釈尊の場合のみに用いる。
梵語サンボーディ「目覚める」の訳。成仏得道。
成道会…釈迦が成道したとされる12月8日に行なう法会。
パールハーバー、ジョン・レノン暗殺。
声明 しょうみょう 文学・語法などの学術(文法学)を意味し、特に音韻学をさす。
古典の声楽。梵唄(ぼんばい)とも。
梵語シャブダ=ヴィディヤー「音声に関する学術」の訳。
顕教声明と密教声明にわかれ、漢文や梵文の唄、散華、錫杖などの曲や和讃などをいう。
浄瑠璃 じょうるり 薬師仏の仏国土。
くもりのない(浄)瑠璃の意。
瑠璃…俗語形ヴェールリア(梵語ヴァイドゥーリア)の写音の省略形。
義経伝説の「浄瑠璃姫物語」が琵琶や拍子を用いた語物として流行。義太夫節のもととなる。
諸行無常 しょぎょうむじょう 「この世に存在する一切のものは因縁によって存在する。よって常住不変のものではない」という仏教の根本思想。
」は梵語サンスカーラの訳。「因縁によって生じた現象・存在」の意。
「諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅為楽」(涅槃経)
刹那 せつな 瞬間。きわめて短い時間。
梵語クシャナの写音。
そう 出家した比丘・比丘尼、在家の優婆塞・優婆夷の四衆の総称(僧伽)の略。
僧伽(そうぎゃ)…梵語サンガ「集団」の写音。
「仏教の教団」の意。
僧坊(房)…僧が居住する寺院の建造物。”お坊さん”と呼ぶのはここから。
大乗 だいじょう 原初の仏教を補足拡充し、宗教的な感性を目指した改革運動。
自利と利他をあわせた信仰と倫理による。
⇔小乗
梵語マハー=ヤーナ「偉大な乗り物」の訳。
大日如来 だいにちにょらい 真言密教の本尊。
この世の一切のものは大日如来の智(金剛界)と理(胎蔵界)のあらわれ。
大日…梵語マハー=ヴァイローチャナ「偉大なる太陽」の訳。
摩訶毘慮遮那(まかびるしゃな)と写音し、大遍照と訳す。
遍はあまねく。
大曼荼羅 だいまんだら 日蓮宗の本尊。
中央に「妙法蓮華経」を大書し、周囲に「法華経」の諸仏・諸尊、天台大師・伝教大師の名が記されている。
日蓮が文永8年に書いたとされる(原本は明治8年焼失)。
⇒曼荼羅
五大の色…黄(地)・白(水)・赤(火)・黒(風)・青(空)。
題目 だいもく 「南無妙法蓮華経」。
荼毘 だび 火葬。
闍毘、闍維とも書く。
焼身、焚焼(ふんしょう)の意。
梵語ディアーイタ・ディアーピタ(俗語形ジャーピタ)が原語といわれているが定かではない。
闍はジャ
陀羅尼 だらに 呪文(真言マントラ)。
梵語ダーラニーの写音。
すべてのことをよく記憶して忘れない力(総持・能持)の意。
五字陀羅尼…阿卑(味)羅吽欠(剣)、ア・ヴィ・ラ・フーン・カン。地・水・火・風・空との解釈も。
中国を経たため相当変化しているハズ。
ギャーテーギャーテー
達磨 だるま @法
A禅宗の始祖・菩提達磨。
B張子のおもちゃ
C売春婦
Dむかしネットで流行ったコワイ話。
@梵語ダルマの写音。法則・法律・基準の他、教え、真実・最高の実体、事象などの意味がある。
A達磨大師。南インド出身・528没。嵩山少林寺での面壁九年は有名。
おまえ!日本人だろ!助けてくれ!
檀那寺 だんなでら 仏事のすべてをまかせ、その代償として布施をする寺院のこと。
檀那…梵語ダーナ「贈り物」の写音。お布施。
財物を施してくれる信者を僧がこう呼んだことから。
旦那。
壇越(だんおち・だんおつ)…梵語ダーナ=パティ「贈りぬし」。
檀家(だんか・だんけ)…寺院に布施して援助する俗人の家。
壇は「壇越」の略。
智慧 ちえ すべての道理を明らかにし、迷いを滅してさとりを成就しようとする力。
梵語プラジュニャーの訳。
智慧の火…智慧が煩悩を焼き尽くす。
智剣
智識…知識は哲学用語
中陰 ちゅういん 人の死後、次の生を受けるまでの状態、四十九日間の称。
中有(ちゅうう)の異訳。
最後の四十九日を満中陰という。
梵語アンタラー=バヴァの訳。
「中間の存在」の意。
この間死者は三界・六道をさまようとされる。
よって、遺族はその期間を供養に専念する。

生有(しょうう)、本有(ほんぬ…生きている状態)、死有(しう)、中有
中有に迷う…どっちつかずの状態。
”宙に迷う”の宙は宛字。
中道 ちゅうどう 両極端を離れることにより得られる「中正な道」。
現実を見極め正しい判断・行動をすること。
⇒八正道。
ブッダは愛欲と苦行の両極端を退けることによりサトッタ。
追善供養 ついぜんくよう 死者の冥福を祈るために、その年忌などに仏事を行なうこと。
追福供養とも。
追善・・・「追うて善根を修する」の意。
仏像・堂塔の建立、法具などの財物の寄附、写経他、功徳のあることを死者の冥福を祈るために行うこと。
真宗では追善とは言わない。
天竺 てんじく インドの古称。
インダス河の古名シンドゥの転訛といわれる。
三国一の花嫁…震旦・本朝・天竺。
導師 どうし 仏・菩薩をいう。
法式を取り仕切る僧のこと。
梵語ナーカヤ
「衆生を導いて仏道に入らせる者」の意。
「御導師さま」は、丁寧すぎ。
読経 どきょう 声を出してお経を読むこと。
読誦(どくじゅ)とも。
⇔看経(かんきん)
「読経、お願いします」なんて余計なお世話。
得度 とくど さとりに到達すること。
転じて、出家する、仏門に入ること。
度は渡る。到彼岸(波羅蜜)に同じ。
南無 なむ 帰依しますの意。
この語の後に仏名・経典の名などがつづく。
梵語ナマッハナモー)の写音。
原語は「敬礼」の意。
ナムサン!…南無三宝の略。
如是我聞 にょぜがもん 「私はこのように聞いた」と経典の冒頭に記される基本的形式。
梵語エーヴァン=マヤー=シュルタムの訳。
釈尊涅槃の直後に王舎城で行なわれた結集の際に阿難(アーナンダ)が経典の誦出者となったため。
如来 にょらい 仏の尊称。
梵語タターダカ「そのように来た人」の訳。
「その人(過去仏)のようにこの世に出現した人」の意。
念仏 ねんぶつ 南無阿弥陀仏の六字の名号を唱えて祈ること。
彼岸 ひがん さとりの境地。あの世。
日本では春分・秋分を中日として、その前後の三日間を合わせた七日間の称。
墓参りや法要(彼岸会)を行なう。
波羅蜜パーラミター・到彼岸)…現世を此岸とし、その煩悩を解脱してさとりの境地である彼岸(向こう岸)に達した状態をいう。
そのために六波羅蜜(布施・持戒・忍辱(にんにく)・精進・禅定(ぜんじょう)・智慧)の実践行為がある。
布施 ふせ 貪りのない心で自己の所有物を他人に与える在家信者の修行のひとつ。
現在では一般に、仏事の謝礼として僧侶に贈る金品のこと。出家者の修行の手助けをするという精神的な意義。
信者の喜捨。
梵語ダーナ(贈与、贈物)の訳。
大乗仏教の実践倫理、六波羅蜜の第一。
「完全に純粋な物質的・精神的な恵み」の意。
在家の信者に対して出家者・修行者への喜捨を勧誘し奨励する教義が展開したもの。
以降、布施は自己犠牲をも意味するようになった。(日蓮・佐渡御書)
坊主は肉の布施があれば喜んで食った。
法会 ほうえ 仏を祀り、法を説き、死者の追善供養を営むこと。
法要とも。
菩提寺 ぼだいじ 先祖代々の墓があったり、位牌を納めている寺。
仏事を営んでもらう寺院。
檀那寺、菩提所とも。
菩提・・・梵語ボーディ(さとり、無上の正覚の意)の写音。煩悩を絶って得た無上の悟りの境地。
転じて「極楽往生」。
冥福を祈ることを「菩提を弔う」という。
本尊 ほんぞん 礼拝の対象として、本堂の中心に安置され最も重んじられる仏・菩薩像。
その形態は宗派により異なる。
張本人の意。
本堂 ほんどう 本尊を安置する建物。
冥界 みょうかい 六道の中で地獄・餓鬼・畜生の三道をいう。
とくに地獄道をさす。
地獄の閻魔の庁にいる役人を冥官(ミョウカン)という。
「十万僧読経す。
其の声冥界に充ち満ちて」(盛衰記)
無縁仏 むえんぼとけ 死後を弔う親類や知り合いをもたない死者の霊。
餓鬼、外精霊(ホカジョウロウ)、御客仏とも。
怒りやすく祟りやすい。
または、その遺骨をさすことも。
無縁…仏縁のないこと。
「前世において仏・菩薩と結縁していない」意。
無縁仏を供養する墓は無縁塚(塔)と呼ぶ。
臨終勤行 りんじゅうごんぎょう ⇒枕経。
真宗。
六道 ろくどう 衆生が善悪の業によって必ず趣くとされる六種の境界。
地獄餓鬼畜生修羅人間天上の六界の総称。
六趣とも。
古代インド人の世界観であって、この六道の迷いの生涯を続けることを六道輪廻という。
釈迦はその苦しみからの解脱を説いた。
仏教は何でも6が基本とか。
生かされる私たちのおろかな迷いの象徴。
和讃 わさん 和語でつづられた仏・菩薩の功徳あるいは祖師の徳行を讃嘆した歌。
一般に七五調の四句を一連とし、曲調でうたい鈴などで調子をとる。
声明から発声した唱え歌で、平安中期ごろから広く流布した。
「極楽六時讃」(源信)、「三帖和讃」(親鸞)、「別願和讃」(一遍)、「座禅和讃」(白隠)、「賽の河原地蔵和讃」など。
偈・・・経論などの中に交じっている四句から成る詩。
仏徳をたたえ、教理を象徴的に述べる。
頌(ジュ)…ほめ、たたえる。
嬰女 えいにょ 生まれて間もない女児の死の際、戒名の下にそえられる。
嬰は”みどりご”と読む。
緑(若芽)
孩児 がいじ 嬰児の法名ないし戒名。
孩女 がいにょ 嬰児(女児)の法名ないし戒名。

戒名
かいみょう
居士 こじ 出家しないで仏門に帰依した男子。
とくに禅宗では在俗のまま禅の修行をする男子をいう。
梵語グリハ・パティの訳?。家長、資産家の意。
中国では「学徳あって仕官をしない隠者」のこと。
信士 しんじ 位号(男子)。
優婆塞(うばそく)の原語ウパーサカの訳語。
もとは在俗の男子で仏門に帰依し受戒した人。
居士より↓
信女 しんにょ 位号(女子)。
優婆夷(うばい)の原語ウパーシカの訳語。
もとは在俗の婦人で仏門に帰依した人。
大姉より↓
清信士 せいしんじ 位号(男子)。
清信女 せいしんにょ 位号(女子)。
清童女 せいどうにょ 女の子供の戒名の下につける。
禅定尼 ぜんしょうに 位号(女子)。
俗名 ぞくみょう 戒名(法名)を受ける前、出家する前の名。
大居士 だいこじ 位号(男子)。
大姉 だいし 位号(女子)。
大禅定門 だいぜんしょうもん 位号(男子)。
大童児 だいどうじ 位号(男の子供)。
大童女 だいどうにょ 位号(女の子供)。
道号 どうごう 院号と法号(戒名)の間に位置する「日」「妙」(日蓮宗)、「誉」(浄土宗)などの号。
法号 ほうごう 位号の上にくる本来の戒名。
法名とも。
法名 ほうみょう 真宗での仏弟子としての名。

※妙法華…「妙法蓮華経」の略。鳩摩羅什訳八巻二十八品。わが国で法華経といえばこれらしい。

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