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お葬式辞典

3 散骨

環境問題や個人的な事情から散骨を希望する人もいます。

いま大都市では墓地が不足し、郊外の丘陵地帯などで大規模な霊園開発が行われています。
削られていく山を見て、環境保全に反すると考える人もいます。また、自分の墓がいずれ無縁墓になってしまうことを心配する人がいます。人口移動の激しい都市部では、3代たつと無縁墓になってしまうともいわれているのです。さらに夫の家の墓には入りたくない、死んだら自然に還りたいなど様々な理由で散骨を希望する人が増えてきました。


法律的に問題はあるのか

これまで散骨は刑法190条(遺骨遺棄罪)に触れるとの見方がありました。

しかし、現在では法曹関係者の多くが「葬送のための祭祀で、節度を持って行われる限り問題はない」との見解を持っています。また、「墓地・埋葬等に関する法律」では墓地以外での埋葬・埋蔵を禁じていますが、厚生省生活衛生局では「散骨は法の対象外で同法で禁じているわけではない」との立場を示しています。火葬した骨をどの程度の灰にするのか、法律などによる決まりはありません。

しかし「節度ある方法」で行わなければならないので、原形が分からない状態に砕くべきでしょう。
細かい方が分解しやすく、早く自然に還れます。焼いた骨は脆いのでわずかな力で灰になります。骨を布袋に入れて棒でたたいたりし、灰にする人が多いようです。


費用はどのくらい

立ち会い人の移動費なども含めた総費用の相場は20~30万円といわれますが、やり方によって変わります。船などチャーターするようなら、何組かでまとまって行うと費用節約になます。


故人が好きだった海に・・・・

ヨットで海に出、故人の好物だったお酒と一緒に遺灰を撒く。山に撒き献花するなど散骨の方法は様々です。しかし、法的に問題がないといって、どこでも散骨していいとは限りません。

死へのタブー感が薄れたといっても、灰を撒かれる地域の人々の感情に対する配慮も忘れてはいけません。ある人は、妻の遺骨を自分の家の庭に散骨しようとした時、町内全ての家の了解を取ったとのことです。散骨は遺骨の処理の一方法だが、すべて散骨すると墓には入らないことになります。

墓参りができなくなる、故人を偲ぶ拠りどころがなくなってしまう、と考える人もいます。

散骨を希望する場合は家族などと十分話し合っておきましょう。どうしても折り合いがつかず、遺骨を分け、半分だけ好きな場所に撤いてもらい残りは墓に入れた人もいたと聞きます。